EXHIBITION
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二十代の初め、デッサンと油彩の勉強をしていた頃、何の予備知識もなく、 空海の風信帖を見た。線を引くだけでどうしてこんなに、豊かですっきりと した世界が出来るのだろうかと驚き、デッサンの研究の一助のつもりで、 書を習い始めた。空海の臨書など,基礎を十三年間師について学び,展覧会 での受賞を機に独立した。 以来、抽象多色木版を中心に活動しながら、現代美術としての書という 捕 らえきれない夢のようなものが、どこかに引っ掛かっていた。 日本の伝統,書の基本をきちんと踏まえ、軸装の形式で,現代の空間に 呼 応する新鮮な作品を作れるか。これが今回の私のテーマである。 林 美紀子
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